- 24時間換気システムのメリット
- 24時間換気システムで寒さを感じる原因
- 24時間換気システムを止めてはいけない理由
- 24時間換気システムの寒さ対策
マンションなどの機密性の高い家では、24時間換気システムがついていることも多いです。
ただ、常時換気口から外の空気が入ってくるため、「なんか寒い、、、」と感じる方も少なくありません。
しかし、この24時間換気システムを勝手に止めるのは危険です。
そこでこの記事では、24時間換気の基本情報やメリット、寒さを感じる理由から簡単にできる寒さへの対策などについて解説していきます。
ハウクリ研究所の横田私は【ハウクリ研究所】の横田です!
ハウスクリーニング業者で約6年以上勤務していた業務経験を活かし、ハウスクリーニング・換気扇(レンジフード)に関する基礎知識や疑問、不安などを解決していける記事を執筆していきます!
24時間換気システムについて


24時間換気システムは、建物内の空気を常に入れ替え、室内環境を清潔で快適に保つために義務化されている設備です。
シックハウス症候群などを防ぐ目的で、建築基準法により2003年以降の新築住宅には必ず設置されるようになりました。
給気口から外気を取り込み、排気口から汚れた空気を出す仕組みで、自然給気と機械給気があります。
また、日常的に窓を開けなくても換気ができるため、花粉や排気ガスの多い地域でも安心して生活できます。
「外気が入ってきて寒い」と感じてしまうなら、対策を考える必要もあります!
24時間換気システムがあるメリット


現代の住宅は気密性が高いため、意識的に換気を行わないと、室内空気の質がすぐに悪化してしまいます。
24時間換気はそのような問題を自動的に防ぎ、住まいに暮らす人の健康や住宅そのものの寿命を守る役割を果たします。
ここでは、具体的なメリットについてご紹介していきます。
- 空気を綺麗に維持
- 結露やカビの抑制
- 嫌な臭いや汚染物質の除去
室内の空気を綺麗に維持
24時間換気を続けることで、室内に溜まりやすい二酸化炭素、調理や生活から出る小さな粒子が効率的に排出され、空気の新鮮さを保つことができます。
部屋の空気の質が悪化すると集中力低下や眠気、頭痛などの体調不良が起こりやすくなり、日常生活や仕事の効率にも悪影響を及ぼしかねません。
換気は「気分をリフレッシュしてくれる」だけでなく、健康の維持そのものに直結しているのです。
特に小さなお子さんや高齢者がいるご家庭では、常に清潔な空気環境を維持することが重要です!
結露やカビの抑制
冬の寒い時期は、暖かい室内と冷たい外気の温度差によって、窓や壁に結露が発生しやすくなります。
結露をそのまま放置すると、湿気を好むカビが繁殖し、アレルギーや喘息など健康への悪影響を招くことも。
24時間換気を行うことで、湿気を適度に排出し、結露の発生を抑える効果が期待できます。
さらに、カビの繁殖を防ぐことは住宅の内装や断熱材を長持ちさせることにもつながります。
嫌な臭いや汚染物質の除去
料理の臭いが長時間残ったり、ペットや汗の臭いがこもったりすると、居住空間の快適さが損なわれてしまいます。
また、家具や建材から放散される揮発性有機化合物(VOC)なども、放置すると健康被害につながる可能性があります。
24時間換気はこれらの臭いや汚染物質を外に排出し、室内の空気を常に新鮮に保ちます。
来客時の「なんかこの家臭うかも、、、」を回避する手段としても有効です!
「なぜ?」24時間換気で寒さを感じる原因とメカニズム


家に24時間換気がある場合、冬の季節になると、「部屋が寒い、、、」と感じる方も多いです。
これは仕組みそのものに原因があり、外気の取り込みや住宅性能との関係によって左右されます。
ここでは寒さの原因やメカニズムについてご紹介していきます。
- 外気の取り込みによる室温低下
- 換気口や隙間からの冷気
- 暖房とのバランスの問題
- フィルターやダクトの詰まり
外気の取り込みによる室温低下
24時間換気システムは、「常に外の空気を取り込み、室内の空気と入れ替える」仕組みです。
冬場は外気温が低いため、冷たい空気がそのまま室内に入り込みやすく、体感温度が下がってしまいます。
断熱性能が不十分な住宅では特に影響が大きく、暖房を使っても寒さを感じることも。
気密性や断熱性が高い家であっても、換気をする上では外気の流入はゼロにはなりません。
「寒さを感じるのは自然なこと」とも言えます!
換気口や隙間からの冷気
給気口や換気口付近から直接冷気を感じることもあります。
これは構造上、ある程度は避けられないものですが、フィルターやパッキンの劣化によっても冷気の侵入が強まることがあります。
メンテナンス不足の状態では、必要以上に冷たい風を感じやすくなり、冬場の不快感も増します。
暖房とのバランスの問題
せっかく暖房をつけても、換気によって暖められた空気が外に排出されてしまうため「部屋がなかなか温まらない、、、」と感じることもあるでしょう。
これは換気が悪いのではなく、暖房器具の能力や配置との相性の問題のこともあります。
例えば「暖房の風が換気口の近くに集中してしまうと、効率的に部屋が暖まらない」など。
暖房と換気のバランスを考えることが快適さにつながります!
フィルターやダクトの詰まり
換気システムに設置されているフィルターやダクトが汚れていると、空気の流れがスムーズに行われなくなります。
その結果、一部の給気口に負荷がかかり、そこから強い風が出てくることも。
この風が冷たい外気であれば、特定の場所だけが過剰に冷え、居心地の悪さを感じる要因になります。
さらに、ホコリやゴミの詰まりは換気効率を低下させ、全体の空気循環を乱す原因にもなりかねません。
フィルターやダクトは定期的に掃除し、常に清潔に保つことで風量を均一に維持できます。
定期的な掃除は、『寒さの軽減+健康面の安心』につながります!
危険?寒くても24時間換気を止めてはいけない理由


24時間換気が寒さの原因の場合、「じゃあ換気をやめよう!」と考える方もいるでしょう。
しかし、24時間換気は快適で安全な住環境を作るためには必要なため、勝手に切ることには多くの悪影響が待っています。
ここでは、換気を止めてはいけない理由についてご紹介していきます。
- 結露やカビのリスクが増加
- 健康面への影響
- シックハウス症候群になる可能性がある
- 室内空気の汚染の蓄積も心配
- 臭いが充満する
- 住宅の劣化や修繕費の増加のリスクも
結露やカビのリスクが増加する
24時間換気を止めてしまうと、日常生活で発生する水蒸気が室内に滞留しやすくなります。
その結果、窓や壁に結露が発生しやすくなり、放置するとカビが繁殖してしまいます。
カビは見た目の不快さだけでなく、壁紙の劣化や木材の腐食を引き起こすため、住まいの寿命を縮めます。
さらに一度発生したカビは、掃除しても再発しやすくなってしまいます。
完全に取り除くには専門的なクリーニングやリフォームが必要になるケースも!
健康面への影響
換気を止めると空気の循環が悪くなり、カビの胞子やホコリ、化学物質などが溜まります。
これらはアレルギーや喘息、呼吸器系の疾患を悪化させる要因になります。
特に小さな子どもや高齢者、アレルギー持ちの方にとっては健康への影響が大きいため注意が必要です。
一時的な寒さを避けるために換気を止めても、「健康を損ねるリスクの方がはるかに深刻」だといえます!
シックハウス症候群になる可能性がある
現代の住宅は高気密・高断熱化が進んでおり、建材や家具から放出される化学物質が室内に滞留しやすい環境になっています。
換気を怠るとホルムアルデヒドなどの有害物質が徐々に蓄積し、目の痒みや頭痛、めまい、倦怠感といったシックハウス症候群の症状を引き起こす恐れがあります。
特に新築やリフォーム直後の住宅ではこのリスクが高まるため、継続的な換気は欠かせません。
室内空気の汚染の蓄積も心配
人が生活するだけで二酸化炭素や揮発性有機化合物(VOC)、微細なチリが発生します。
換気が止まるとこれらが室内に蓄積し、集中力の低下や頭痛、だるさを感じやすくなります。
特に在宅勤務や勉強で長時間室内にいる方にとっては、空気の質が仕事や学習のパフォーマンスに大きく影響します。
快適で効率的に過ごすためにも、24時間換気は止めないことが重要です!
臭いが充満する
24時間換気を止めると、料理やタバコ、生活臭が家の中にこもりやすくなります。
特にキッチンやリビングは臭いが溜まりやすく、換気をしないと空気がよどんで快適さが損なわれます。
嫌な臭いは家具やカーテンなどの布製品にも染みつきやすく、掃除や洗濯だけでは簡単に取れないことも。
日常的に空気を循環させることが、住まいの清潔感を保つ鍵に。
住宅の劣化や修繕費の増加のリスクも
換気を止めると湿気や汚染物質が蓄積し、住宅の構造材や断熱材に悪影響を及ぼす可能性もあります。
時間が経つにつれて壁や床の劣化が進み、修繕やリフォームが必要になることも予想できます。
修繕には高額な費用がかかるため、短期的な寒さ対策として換気を止めるのは結果的に経済的な負担を大きくする可能性が。
日常で24時間換気を活用することが、長期的に住宅を守りコストを抑える最善策です!
24時間換気システムへの寒さ対策


「寒いけど換気を止められない」という状況をそのまま放置することは、健康面でリスクがあります。
ここでは、換気を止めずに冬の寒さを和らげるための現実的で実行しやすい対策についてご説明していきます。
費用がかからない簡単な工夫から、機器や住宅構造の改善まで幅広く取り上げます。
- 運転モードの見直し
- 換気口の定期掃除
- 換気口にフィルターをつける
- エアコンなどの暖房器具を使う
- 加湿器で湿度をキープする
- 遮光カーテンをつける
- サーキュレーターを活用する
運転モードの見直し(弱運転の活用)
24時間換気は、常に最大パワーで動かす必要はありません。
強弱を変えられるなら、「日中は短時間だけ強めに換気」「そのほかの時間帯は弱運転に切り替える」ことで、室温の低下を抑えられます。
機種によってはecoモードやタイマー機能が搭載されているので、それらを活用するとより効率的です。
強弱を調整するだけで暖房効率も大きく変わり、無駄なエネルギー消費を減らすことにもつながります。
強弱を変えられなくても、開き具合を調整できるタイプならこの方法を試せます!
換気口の定期掃除
換気口にホコリや汚れが溜まっていると、空気の流れが悪くなり、余計に寒さを感じやすくなることがあります。
定期的に掃除をして風量を確保することで、無駄な冷気の流入を防げるのです。
フィルターやカバーの掃除を怠ると、換気不足から窓を開けざるを得ない状況になり、逆に部屋が冷えやすくなるため注意が必要です。
きれいな状態を維持することは、快適な換気環境を作る基本であり、健康にも直結します。
定期的に簡単な清掃を心がけるだけでも効果が期待できます!
換気口にフィルターをつける
給気口に専用のフィルターを取り付けることで、外気の冷たさをやわらげる効果があります。
こうしたフィルターは、本来、花粉やホコリを防ぐためのものですが、冷気を直接感じにくくなる副次的なメリットも得られます。
市販のフィルターは手軽に購入でき、工具を使わずに取り付けられる商品も多いため、寒さ対策として取り入れやすい方法でしょう。
わずかな工夫ですが、寒さの感じ方を和らげる効果は意外に大きいのです!
エアコンなどの暖房器具を使う
最もシンプルで効果的なのは暖房器具の活用です。
エアコンやファンヒーターを併用すれば、換気による冷気を補うことができます。
床暖房やホットカーペットを使うと、足元からじんわり温まり、体感的にも一層快適になるでしょう。
冷気を感じやすい部屋では、複数の暖房方法を組み合わせて使うのが基本で、効率的に室温を保つ工夫につながります。
暖房の種類ごとの特徴を理解し、部屋の広さや使う時間帯に応じて選ぶと、無駄のない暖房環境を整えられます!
加湿器で湿度をキープする
湿度が下がると、同じ温度でも人は寒さを強く感じます。
加湿器で40〜60%程度の湿度を保つことで、体感温度が上がり快適に過ごせるようになるでしょう。
乾燥を防ぐことで風邪予防や肌の健康にもつながるため、”冬場の必須アイテム”とも言えるかもしれません。
加湿器にはスチーム式や超音波式など、さまざまな種類があり、部屋の広さやライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
遮光カーテンをつける
遮光カーテンは光を遮るだけでなく、断熱効果も発揮します。
窓から入る冷気を防ぎ、室内の暖かさを逃がさない役割を果たしてくれます。
特に窓際の冷え込みが気になるご家庭では、遮光カーテンを導入することで寒さ対策に直結します。
さらに、遮光カーテンは夏の遮熱にも役立つため、年間を通じて快適さを支える心強い味方になります。
厚手のカーテンや遮熱効果のある裏地付きのタイプを選ぶと、より効果的に断熱できます。
サーキュレーターを活用する
暖かい空気は天井付近にたまりやすいため、サーキュレーターを使って空気を循環させると、部屋全体がむらなく温まります。
換気口が天井近くにあると暖気が逃げやすいですが、空気を混ぜることでそれを防ぐことができるのです。
冷たい床付近にも暖かさが届き、体感温度が大きく改善され、より快適に過ごせるようになるでしょう。
特に吹き抜けのある住宅や天井が高い部屋では、サーキュレーターを取り入れることで暖房効率が格段に上がります。
設置場所や角度を工夫することで、より効率的に空気を循環させられます!
おわりに
24時間換気システムは、健康と住宅を守るために欠かせない設備ですが、冬には寒さを感じることも少なくありません。
ただ、寒いからといって24時間換気を止めてしまうのは、さまざまなリスクがあります。
大切なのは、換気を止めるのではなく、工夫して快適に過ごすことです。
運転モードの調整や掃除といった手軽な対策から、暖房や加湿器の活用、カーテンやサーキュレーターの導入まで、生活スタイルに合った方法を取り入れてみましょう。
そうすることで、寒さを我慢することなく、安心で健康的な住環境を保つことができます。
外気が寒い冬の間も空気を清潔に保ちながら、快適で過ごしやすい家づくりを目指しましょう!


