- マンションで換気が必要な理由
- マンションでの主な換気方法
- 換気扇の効果を保つ日常メンテ
- 24時間換気システムについて
マンションは気密性が高いため、外気が自然に入りにくい構造になっています。
室内の換気がうまくできないと、湿度や臭い、カビなどはもちろん、建物自体にもダメージをあたえかねません。
そのため、快適な暮らしを維持するためには、換気扇や24時間換気をうまく活用していくことが重要です。
そこでこの記事では、マンションの換気の必要性から主な換気方法、換気扇の効果を保つための日常的なメンテナンスなどについて解説していきます。
ハウクリ研究所の横田私は【ハウクリ研究所】の横田です!
ハウスクリーニング業者で約6年以上勤務していた業務経験を活かし、ハウスクリーニング・換気扇(レンジフード)に関する基礎知識や疑問、不安などを解決していける記事を執筆していきます!
なぜマンションに換気が必要なのか?


マンションは戸建て住宅と比べて気密性や断熱性が高く、外気との空気の入れ替えが少なくなる特徴があります。
換気が不十分になると、湿気や化学物質、臭いなどがこもりやすく、生活環境に悪影響を及ぼします。
まずは、換気が必要とされる主な理由について解説していきます。
- 湿気・結露やカビのリスク
- 化学物質や臭いの滞留を防ぐ
- 空気中のウィルスや飛沫の拡散を抑える
- 建物や設備の劣化防止
湿気・結露やカビのリスク
マンションは高気密な構造になっているため、キッチンや浴室で発生した水蒸気が室内にとどまりやすく、結露が発生することがあります。
結露を放置すれば、壁紙や窓枠にカビが繁殖し、アレルギーや呼吸器などの不調につながることも。
日常的に換気を行うことで湿度を調整し、カビの発生を未然に防ぐことができます。
特に冬場や梅雨時期は換気の重要性が高まります!
化学物質や臭いの滞留を防ぐ
新築やリフォーム後のマンションでは、建材や家具、洗剤などから発生する揮発性有機化合物(VOC)が室内に溜まりやすくなります。
これらは長時間吸入すると、頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こす場合があります。
さらに調理時の臭いもこもりやすいため、換気を習慣づけることが大切です。
料理をした後(最中も)や新しい家具を設置した後など、定期的に換気扇や窓を利用することで快適な住環境を保てます。
アレルギーやシックハウス症候群などを抑えるためにも、こまめな換気が大切です!
空気中のウィルスや飛沫の拡散を抑える
人が集まる室内では、咳や会話で飛散した飛沫やウィルスが留まりやすくなります。
換気を行うことで室内の空気が入れ替わり、浮遊している微粒子の濃度を下げることができます。
特に冬場や梅雨の時期は、寒さや雨から窓を開けにくい環境になるため、換気扇を効果的に活用することが重要です。
日常的に換気扇を使うことで、空気の清浄度を一定に保ち、安心できる生活空間を維持できます。
建物や設備の劣化防止
換気不足は、住まいそのものの劣化を早める原因にもなりかねません。
湿気がこもると壁紙の剥がれや木材の変形、金属部分の錆びが進行しやすくなります。
また、換気扇に汚れが蓄積すると、異音や動作不良などのトラブルにつながることも。
定期的に室内の換気を行い、換気扇のフィルターやダクトを掃除することで、住宅設備を長持ちさせることができるでしょう。
住まいの快適さだけでなく、資産価値を守るためにも、換気の習慣化とメンテナンスは欠かせません!
マンションで主に使われる換気方法


マンションで快適に暮らすためには、換気が欠かせません。
マンション内での換気にはいくつかの方法があり、それぞれの特徴を理解してうまく活用することが大切です。
- 窓を開ける自然換気
- 局所換気
- 24時間換気
窓を開ける自然換気
窓を開けることで空気を入れ替える自然換気は、もっとも簡単で効果的な方法です。
短時間でも風が通れば、室内の空気を効率的にリフレッシュできます。
ただし、外の環境に左右されやすいのも難点です。
雨の日や外気が汚れているとき、また花粉の多い季節などは、換気をすることで逆に快適さを損なう可能性があります。
季節や天候、外部環境を考慮しながら上手に取り入れることが大切です!
局所換気(キッチン・浴室・トイレ)
マンションでよく使われる局所換気は、キッチンのレンジフードや浴室・トイレの換気扇などです。
これらは臭いや湿気といった発生源に近い空気を素早く外に排出できるため、汚れやカビの原因を防ぐ役割を果たします。
特に調理中や入浴後は、積極的に稼働させることが効果的です。
湿度や臭いへの対策として、「24時間稼働させる」という方法もあります!
24時間換気
マンションなどで導入されていることが多い24時間換気システムは、常に新しい空気を取り入れ、汚れた空気を排出する仕組みです。
給気口と排気口を通じて安定した空気の流れを作り出し、窓を開けられない状況でも室内の空気環境を整えることができます。
外気条件に左右されにくいのが大きなメリットで、健康を守るためにも継続して運転させておくことがおすすめです。
マンションなどの機密性の高い家に住む方にとって、安心して生活を送るための重要な基盤となる設備です。
24時間換気システムについては、次の項目でもご紹介していきます!
24時間換気システムって何?【仕組み・義務化の理由】


マンションに住む上で欠かせない設備の一つが「24時間換気システム」です。
普段あまり意識しない方も多いですが、この仕組みは健康で快適な生活を守るために重要な役割を果たしています。
ここでは、基本的な仕組みと義務化の理由について整理しておきましょう。
システムの仕組み
24時間換気システムは、「外の新鮮な空気を給気口から取り入れ、居室で空気を循環させた後に洗面所やトイレの排気口から排出する仕組み」で成り立っています。
建築基準法では、居室において1時間あたりおおよそ0.5回以上の換気が求められており、これは人が健康に生活できる最低限の基準ともいえます。
機械による換気は、窓を閉め切っていても空気が入れ替わる点がメリットで、特に冬や夏のエアコン使用時にも快適さと安全性を両立できます。
室内の湿気や二酸化炭素を外へ排出できるため、結露やカビ発生の予防にもつながります!
義務化された背景
住宅の高気密・高断熱化が進むと同時に、建材や家具に含まれる化学物質が室内にこもるリスクが懸念されていました。
その結果、シックハウス症候群と呼ばれる健康被害が社会問題となり、国が対策に乗り出すことになりました。
2003年の建築基準法改正では、「すべての新築住宅に24時間換気設備を設ける」ことが義務化され、室内環境を守るための仕組みが制度として整えられたのです。
以降、新しいマンションや戸建て住宅では、標準的に導入されており、今や当たり前の設備となっています。
義務化は、住む人の健康を守るだけでなく、建物自体の寿命を延ばす役割も果たしています!
どこに?マンション内の換気扇の種類


マンション内に設置されている換気扇にはいくつかの種類があり、それぞれの特徴やお手入れ方法もあります。
まずは、「自宅にどのタイプの換気扇があるのか?」を確認することから始めましょう。
- レンジフード・換気扇
- 天井換気扇
- 共有ダクト
レンジフード・換気扇
キッチンに設置されるレンジフード(換気扇)は、油汚れや煙などを効率よく外へ排出するために欠かせない設備です。
しかし、調理による油汚れが溜まりやすく、放置すると吸引力の低下やモーターへの負担、さらには発火のリスクにつながることも。
フィルターやファンは定期的に掃除し、油汚れをできるだけ蓄積させないことが長持ちの秘訣です。
落ちにくい汚れや内部の分解清掃が必要な場合は、無理をせず専門業者に依頼するのが安全で確実です。
プロへのクリーニングの依頼は、1年1回ほどが目安です!
天井換気扇
トイレや浴室、洗面所などに設置される天井型の換気扇は、日常的に湿気や臭いを外に排出してくれる大切な存在です。
天井カバーを外すとファンやフィルターの掃除ができるタイプが多く、定期的に清掃することで吸引力を維持できます。
ただし、換気ダクトが汚れで詰まってしまうと効果が落ちるため、長年使用している場合には内部の点検も欠かせません。
共有ダクト
一部のマンションでは、各部屋の換気扇が共用のダクトや屋上の機械室とつながっているケースがあります。
この場合、個々の部屋だけで掃除をしても、共用部分の汚れや詰まりが換気性能に大きく影響することも。
その場合は、管理組合が実施する共用ダクトの清掃や点検の状況を確認することが重要です。
異音や吸引力の低下を感じたら、自分の部屋だけの問題ではなく、共用部分に原因がある可能性があります。
早めに管理会社へ相談しましょう!
マンションの換気扇の効果を保つための日常メンテ方法


マンションのように密閉性が高い建物では、換気扇の働きが暮らしの快適さを大きく左右します。
そのため、定期的な掃除や点検で性能を維持することが重要です。
ここでは、日常的に取り入れやすいメンテナンス方法について解説していきます。
月次のチェック
換気扇は一見正常に動いているようでも、ファンの異音や本体の振動、吸引力の低下といった小さなサインが隠れていることがあります。
月に一度くらいは、スイッチを入れた際の音や風量を確認しましょう。
異音や振動は、内部のファンの汚れや部品の摩耗が原因であることが多く、放置すると大きな故障につながる可能性も。
早めに気づき、軽い掃除や専門業者への相談を行うことで安心して使い続けることができます!
3〜6ヶ月ごとの簡単な掃除
換気扇のフィルターや吸気口には、気づかないうちにほこりや油汚れがたまります。
目安として3〜6か月ごとにカバーを外し、ホコリを取り除くとよいでしょう。
フィルターやファンが水洗い可能なタイプであれば、中性洗剤を入れたぬるま湯(40℃)でつけ置きし、やさしく洗浄して乾かすと効果的です。
強い力でこすると、破損の原因になるため注意が必要です。
もし汚れが落ちにくい場合やベタつきが強い場合は、無理に自分で作業せずプロへの依頼を検討すると安心です。
プロによる年1回の掃除
換気扇は、表面の掃除だけでは完全にはきれいにできません。
内部のダクトやモーター部分には、時間とともにほこりや油分が蓄積し、吸引力低下や異臭の原因になります。
特にマンションでは、個別の換気扇と共用部分のダクトがつながっていることが多く、住戸ごとの清掃だけでは不十分な場合も。
年に1回を目安に、専門業者による点検・掃除の依頼を行いましょう。
「管理組合が共用部のメンテナンスを実施しているか?」を確認することも大切です!
こんな時!換気扇の交換タイミングや故障のサイン


「まだ動いているから大丈夫!」と換気扇を放置していると、吸引力の低下や異音が悪化し、性能が著しく落ちることもあります。
最後に、換気扇の交換時期の目安やサインについて解説していきます。
換気扇の寿命【交換目安】
換気扇の標準的な寿命は使用状況にもよりますが、おおむね10〜15年前後が一つの目安とされています。
常時稼働している場合や油・煙の多い環境では、もっと早くに不具合が現れることも。
寿命を過ぎるとモーターの性能が低下し、換気量が十分に確保できなくなります。
10年以上経っているなら、大きな問題がなくても本体の交換を考えるのもありです!
交換を検討すべきよくあるサイン
「換気扇から異音がする」「吸引力が弱くなった」「振動が大きくなった」などの状態は、交換を検討すべきサインかもしれません。
軽度であれば、掃除や軸受けの注油などで改善する場合もありますが、改善しないときは本体の劣化が進んでいる可能性があります。
早めに交換することで、余計な電気代や修理費用を抑えることにもつながります。
交換を決める前に、管理会社や専門業者に見てもらうのも良いでしょう!
おわりに
建物の気密性が高くなりがちなマンションでは、換気が重要になってきます。
中でも、換気扇や24時間換気システムは、住まいの空気環境を守る「見えない命綱」です。
普段から簡単な点検と掃除を心がけ、異変を感じたら早めに対応することが快適な暮らしにつながります。
さらに、年数が経過した設備は性能低下が避けられないため、必要に応じて交換も検討する必要が出てきます。
専門業者の点検やクリーニング、交換の提案を取り入れながら、健やかで快適な住環境を作っていきましょう!



