換気扇(レンジフード)の掃除は、台所の清潔さを保つうえで欠かせない作業です。
しかし、油汚れは落としにくく、「掃除にはどんな洗剤を使えばよいか?」に迷う方も多いです。
自宅での換気扇掃除の洗剤として有効とされるものの一つが、”セスキ”です。
このセスキは、弱アルカリ性のため、換気扇に溜まりやすい油汚れにも効果のある洗剤として人気が高いです。
この記事では、換気扇掃除でセスキが有効な理由から使う際の注意点、セスキを使った実際の掃除のやり方などについて解説していきます。
換気扇が汚れる原因&汚れを放置するリスク

換気扇は調理中の油や蒸気を集める場所のため、汚れを放置すると性能の低下や衛生面のリスクに直結します。
そのため、きれいな空気環境を保つためにも、定期的な掃除は欠かせません。
油汚れ
調理の際に飛び散る油は細かい粒子となって換気扇に付着し、時間が経つと冷えて固まり、頑固な汚れになります。
さらにホコリや調味料と混ざることで層のように重なり、中性洗剤だけでは落ちにくくなってしまうことも。
蓄積を防ぐためには、早めの掃除で取り除くことが重要です。

汚れが新しいうちは比較的短時間で落とせるため、日常的なケアがポイント!
ほこりやカビなどの複合的な汚れ
換気扇内部には油だけでなく、空気中のホコリや湿気によって発生するカビ、水垢が混ざり込みます。
これらが油と結びつくと黒ずみや悪臭を発生させ、衛生的にも問題が生じてしまいます。
特に湿度の高い環境ではカビの繁殖も早いため、油汚れと合わせて注意が必要です。
複合的な汚れは放置するほど落としにくくなるため、こまめな掃除が効果的です。
汚れを放置するリスク
油汚れを放置すると、フィルターやファンが詰まり、換気力が落ちてしまいます。
これにより室内の空気がこもりやすくなり、調理時の煙や臭いが残りやすくなるデメリットも。
また、油の蓄積は可燃性があるため、火災の危険性を高めてしまう点も無視できません。



電気部品への負担や電気代の増加といった日常生活への悪影響も予想できるので、定期的な掃除は必須です!
セスキが換気扇(レンジフード)掃除に有効な理由


セスキは弱アルカリ性であり、油汚れに特に効果的です。
水に溶けやすく油を乳化して浮かせる作用があり、換気扇の頑固な油汚れにも対応できます。
油汚れを分解して効率的に落とせる
セスキは弱アルカリのため、中性洗剤よりも油を分散させる力が強く、古く固まった油汚れにも有効です。
特にフィルターやファンにこびりついた汚れを浸け置きすると、汚れが柔らかくなり短時間のブラッシングで落とせるようになります。
作業の負担を軽減できるため、忙しいご家庭でも取り入れやすいのが特徴です。
素材に優しく使いやすい
セスキは研磨剤を含まないため、フィルターやファンといったパーツを物理的に傷つけにくい点も安心です。
多くの家庭用の換気扇部品に使えるため、初心者でも取り入れやすい洗浄方法と言えるでしょう。



安全性の高さから、換気扇以外にも家庭での掃除に広く利用されています!
セスキを換気扇掃除に使う際の注意点


セスキは便利ですが、すべての素材に適しているわけではありません。
正しい使い方ができないと、変色や劣化を招く可能性があるため、必ず注意点を確認しておきましょう。
アルミ・ステンレス・塗装面での注意
アルミ素材は酸に弱いことで知られていますが、アルカリ性のセスキでも長時間触れると白っぽく変色することがあります。
ステンレスは比較的耐性がありますが、磨きすぎると表面に傷がつくことも。
また、塗装面は剥がれやすく、セスキを濃い濃度の状態で長く当ててしまうと色あせや劣化の原因になります。



換気扇掃除などで使用する際は、必ず製品の取扱説明書を確認した上で使いましょう!
ゴム・プラスチック・フィルター類への影響
ゴムや一部のプラスチックは、アルカリ性により硬化や変色、劣化を起こす場合があります。
換気扇のフィルターについても、特に金属以外の素材は劣化しやすいため取り扱いには注意が必要です。
説明書に「洗剤使用不可」と記載がある部品はセスキを使用せず、水拭きや中性洗剤を選びましょう。



セスキを使う場合でも濃度を薄めて短時間で処理することが安全です!
電気部品やモーター周辺での安全対策も大事
換気扇には電気部品やモーターが組み込まれており、ここに水や洗剤がかかると故障や感電のリスクがあります。
掃除を始める前に必ず電源を切り、可能であればブレーカーも落とすとより確実です。
モーターや配線部分は水拭きや軽い乾拭きにとどめ、直接スプレーを吹きかけないように注意してください。



換気扇の奥部分の汚れが気になる場合には、プロのクリーニング業者に任せるのがベストです!
セスキは重曹と同じ考え方で使う
換気扇掃除といえば、セスキと並んで重曹もよく使われるアイテムです。
重曹はセスキよりもアルカリ性が弱いため、やや洗浄力は落ちますが、ほぼ同じような原理で油汚れに働きかけます。
両者を使い分ける場合は、汚れの度合いや部品の素材に応じて選ぶことが大切です。
どちらを使用するにしても、掃除前には必ず換気扇の取扱説明書を確認するのがおすすめです。



適切な方法で行うことが、掃除の失敗を防ぐポイント!
セスキを使った換気扇掃除で準備するもの


セスキを使った換気扇掃除の場合でも、用意するアイテムは基本的にはほぼ同じです。
作業する上では安全に関わるものもあるので、掃除の前には必ず確認するようにしましょう。
必須なアイテム
掃除に必要なのは、セスキの粉末(またはスプレータイプ)、40℃程度のお湯を入れられるバケツ、ゴム手袋、古い歯ブラシやスポンジです。
さらに床やコンロなどの周囲を保護するための新聞紙やビニールシート、目を守るためのゴーグルも用意すると安心です。
セスキの濃度は、商品パッケージに記載された目安を守ることが大切です。



作業中は窓を開け換気し、マスクをつけると臭いや飛び散りからも守れます!
あると便利なアイテム
頑固な油汚れがついている場合は、スクレーパーや柔らかいヘラが役立ちます。
フィルターの細かい部分には専用ブラシを使うと効率よく汚れを落とせます。
つけ置き中に部品を取り出す際は、台所用ネットを使うと手が汚れにくく安全です。



セスキを使う際には手荒れが心配なため、必ずゴム手袋を使いましょう!
セスキを使った換気扇(レンジフード)掃除の手順


換気扇を掃除する際は、手順を踏まえて安全に作業することが大切です。
今回は、セスキを使った効率的な掃除方法について順を追ってご説明していきます。
電源を切り・ブレーカーを落とす
作業を始める前に必ず換気扇の電源を切り、可能であればブレーカーも落としておきましょう。
万が一、掃除中に誤ってスイッチが入ってしまうと、怪我や感電のリスクがあります。
プラグを抜く方法でも問題ありませんが、安全を最優先に準備しておくことが重要です。
換気扇を分解していく
次に、フィルターやファンなど換気扇内で取り外せる部品を一つずつ外していきます。
このとき、油汚れで部品が滑りやすくなっているため、滑り止め付きのゴム手袋を着用すると安心です。
また、無理に力を加えると部品が破損する恐れがあるので、取り扱いには注意しましょう。



部品の破損は修理はもちろん、怪我の恐れもあるので「無理せず丁寧に」を心がけるのがポイントです!
セスキを水に溶かしつけ置きする
セスキはぬるま湯に溶かして使うのが効果的です。
「お湯500mlに対してセスキ小さじ1杯程度を目安」にし、40℃前後のお湯で溶かします。
この溶液に換気扇の部品を浸し、30分〜1時間程度つけ置きします。
つけ置きすることで、こびりついた油汚れが浮き上がり、後の洗浄がぐっと楽になります。
洗浄していく
つけ置きが終わったら、スポンジやブラシを使って丁寧に洗っていきます。
油汚れがしっかり落ちていく様子がわかるでしょう。
洗浄後は洗剤が残らないように、流水でしっかりすすぐことも大切です。
すすぎ残しは、べたつき、カビやさびの発生などの原因になるため、丁寧に行いましょう。
拭き掃除
換気扇の外側や取り外せない部分は、セスキスプレーを使って拭き掃除をしていきます。
セスキスプレーは、つけ置き時に作成したものと同じで、セスキ小さじ1杯を水(お湯)500mlに溶かしてスプレーボトルに入れておきます。
ボトルに入れることで、汚れに直接吹きかけて布で拭き取ることができます。
組み立て・仕上げ
すべての部品を十分に乾燥させてから、元通りに組み立てていきます。
濡れたまま戻すと、カビや故障の原因になるため注意が必要です。
最後に電源を入れて、「異音や振動がないか?」を確認し、問題がなければ作業完了です。



定期的な掃除は、換気効率が改善し、キッチン環境の清潔さなどにつながります!
万が一の時に!セスキで変色してしまった時の対処法


「換気扇の説明書を見ずに掃除してしまった、、、」などのケースもあるでしょう。
万が一、変色や表面の白化が起きた場合の応急処置と判断基準、業者に頼む目安を知っておくと安心です。
自分でできる応急処置
「アルミが白っぽくなる」「塗装がムラになる」などの変化は、セスキが長時間作用したことが原因であるケースが多いです。
まずは中性洗剤を使って優しく洗い流し、その後、乾いた柔らかい布で軽く磨いて状態を確認します。



改善が見られない場合や症状が広がる場合には、無理をせず専門業者に相談するのが安心です!
深刻な劣化・腐食ならプロに
「金属が腐食して穴が開く」「可動部に支障が出る」「モーターに異常が生じる」などの場合は、迷わず業者へ依頼するのが安全です。
自力で無理に修復しようとすると、感電や事故につながる恐れもあり、更なる損傷を招くこと可能性も。
修理費用と新品交換の費用を比較し、長期的な安全性を考えて判断することが大切です。



「素材・部品を傷めた」と感じたらプロに相談するのがベストです!
セスキ以外にも!注意が必要な洗剤


換気扇掃除ではセスキがよく使われますが、市販されている他の洗剤を使う際にも注意が必要です。
「油汚れがよく落ちる!」などのふれ込みがあっても、強力な洗剤を安易に使用すると、素材を傷めたり健康被害につながることもあるため、正しい知識を持って選ぶことが大切です。
強アルカリ性の洗剤
強アルカリ性の洗剤は、油汚れに対して強力な効果を発揮しますが、アルミ素材や塗装面に使うと黒ずみや白濁が生じるリスクがあります。
また、皮膚に触れると刺激が強いため、ゴム手袋の着用が欠かせません(これは弱アルカリ性でも同じ)。
使用時には換気を十分に行い、取り扱い説明書をよく確認してから使うことが重要です。



必要以上に濃い溶液を作らず、適切に薄めて使うこともポイントです!
酸性・塩素系の洗剤
酸性洗剤は水垢やカルシウム汚れの除去に効果的ですが、アルミや鉄など一部の金属では腐食を引き起こすことがあります。
塩素系洗剤は漂白力が高いため、ゴムパッキンや塗装部分を劣化させる恐れも。
特に換気扇全体に使用すると、部品の寿命を縮める原因になるため、使用は避けた方が無難です。
これらの洗剤を使う場合は、局所的に汚れの種類を見極めて慎重に使い分ける必要があります。
研磨剤入りのクリーナー・メラニンスポンジ
研磨剤入りのクリーナーやメラミンスポンジは、こびりついた汚れを物理的に落とす点で優れています。
しかし、同時に表面のコーティングやツヤを削ってしまう可能性もあります。
特に塗装面や光沢仕上げの部分では、使ったことで見た目が悪くなるケースがあります。
そのため、メーカー自身も使用を推奨していない場合も多いです。



使う際には必ず対象素材を確認し、広範囲には使用しないことが安全です!
油落とし用のシンナーなど
有機溶剤系のシンナーは、油汚れを瞬時に溶かす力があります。
しかし同時に、塗装や樹脂部分にダメージを与えるリスクが高く、ご家庭での使用には適していません。
さらに揮発性が高いため、換気が不十分な場所で使用すると健康被害を招く恐れも。



安全性の観点からも、一般家庭では使わず、どうしても必要な場合はプロの業者に任せるのが賢明です!
おわりに
換気扇掃除は後回しにされがちですが、快適で安心できる暮らしのためには欠かせない作業です。
その換気扇掃除の際に使える洗剤は、いくつかあり、効果が高いものとしてセスキがあげられます。
ただし、このセスキにも塗装の剥がれやさびなどにつなげてしまう恐れもあるので、素材や使い方に注意しながら掃除していくことが大切です。
セスキの特徴や使い方をきちんと理解した上で換気扇掃除をすることで、清潔で快適なキッチン環境を長く維持することができるでしょう!