キッチンの換気扇は、日々の料理で発生する油や煙などを吸い込み、想像以上に汚れが蓄積しています。
そのため、掃除を怠ると換気効率が下がるだけでなく、臭いや火災などのリスクにもつながるため、定期的なお手入れが欠かせません。
とはいえ、「拭き掃除くらいしかしてない」「全くしたことがない」という方にとって、”自分でも掃除できるの?”を不安を感じている方もいるでしょう。
この記事では、換気扇(レンジフード)が汚れる原因から放置する悪影響、自分でできる掃除範囲や手順などについて解説していきます。
なぜ?換気扇(レンジフード)が汚れる原因

換気扇(レンジフード)が汚れる大きな理由は、調理の際に発生する油や煙、蒸気にあります。
油や煙は目に見えにくい微細な粒子として空気中に広がり、フィルターやファンに付着してベタついた汚れを作ります。
そこにホコリや水蒸気が加わることで層状の汚れとなり、時間が経つほど固まりやすくなります。
特に揚げ物や炒め物などを頻繁に行うご家庭では、油汚れが一層強固になりがちなことも少なくありません。

定期的な掃除を怠ると、汚れが蓄積し、簡単には落とせなくなってしまうのです!
思わぬデメリットも?換気扇の掃除を怠る悪影響


換気扇の掃除を長期間行わないと、まず換気能力が落ち、調理後の油臭や湿気が室内にこもりやすくなります。
汚れが厚く積み重なるとファンやモーターにも負担がかかり、異音や故障の原因となる恐れも。
さらに油とホコリが堆積した換気扇は引火のリスクを高めるため、火災につながる危険性も否定できません。
また、キッチンには嫌な臭いが広がり、せっかくの料理の風味を損なってしまうことになり、臭いがキッチン以外の場所に移っていくケースもあります。



換気が効率的に行われなくなることで、電気代が上がり、経済面でも無視できない影響を及ぼします!
換気扇掃除の「自分でできる範囲」と「プロに頼むべき範囲」


換気扇の掃除は、専門業者に依頼するイメージが強いかもしれませんが、日常的なお手入れであればご自分でも十分に対応可能です。
ただ、換気扇掃除は一見シンプルに思えますが、実際には安全面で注が必要になることも。
自分でできる範囲を正しく理解し、無理な分解や作業を避けることが安心につながります。
自分でできる掃除範囲
ご家庭で無理なく行えるのは、フィルターやレンジフードのカバー、手の届くファン表面の油汚れの掃除くらいまでです。
これらは重曹や中性洗剤を使い、大きめの袋やバケツなどにつけ置きすることで、比較的簡単に汚れを落とせます。
スポンジや柔らかい布を使えばほぼ汚れを落とせますが、機種によって分解方法が異なるため必ず取扱説明書を確認することが大切です。



換気扇掃除で一般的なのは重曹やセスキですが、パーツによっては使えない箇所もあるので、取扱説明書で確認しましょう!
プロに頼むべき範囲
自分でもできる掃除範囲がある一方で、内部の奥やモーター付近、電気系統に関わる部分は、プロに依頼するのが賢明です。
こうした部分まで自力で行うと、誤った分解や洗浄によって故障や感電のリスクもあるため、自己判断で触らない方が安全です。
また、「油汚れが固着して家庭用洗剤では落とせない」「特殊な形状のレンジフードを設置している」などの場合もプロに依頼すると安心です。
無理に作業せず、必要に応じてプロに任せることが、結果的に効率的で掃除方法になります。



「定期的な表面やフィルターを掃除を忘れずに、年1回プロに依頼する」というのが、基本的な換気扇掃除の目安です!
自分で換気扇掃除をする際に準備するもの【道具・洗剤】


換気扇の掃除を始める前には、必要な道具や洗剤をそろえることは欠かせません。
きちんとものを準備できれば、作業もスムーズに進み、汚れ落ちも格段に良くなります。
必要な道具のリスト
換気扇掃除に必須なのは、ゴム手袋やマスク、新聞紙やビニールシート、古いタオル、大きめのバケツ、スポンジ、布などです。
必要に応じてドライバーを用意すると、フィルターやカバーの取り外しが楽になります。
道具は安全性と使いやすさを重視して選び、特に金属たわしなどの”部品を傷める可能性があるもの”は避けた方が良いでしょう。
おすすめの洗剤
換気扇掃除を自分でする場合、「洗剤はどれを使えばいいの?」と不安になる方も多いです。
基本的に、軽い油汚れなどであれば、中性洗剤で十分に落とすことができます。
しかし、時間が経って固まった油には重曹やアルカリ性のレンジフード専用洗剤が効果的です。
ただし、部品の中にアルミ製のものなどがある場合、重曹やアルカリ性の洗剤を使うと塗装の剥がれやさびなど、素材側にダメージを与えてしまうこともあります。



中性洗剤以外のものを使う際には、事前に説明書を確認してから使用すると良いでしょう!
自分で行う場合の換気扇掃除の手順


換気扇掃除を自分で行う際には、【事前準備→分解→洗浄→乾燥→組み立て】までの流れをしっかり把握しておくことが大切です。
焦らず一つずつ進めることで安全にきれいに仕上げられます。
特に油汚れは放置すると固まって落ちにくくなるため、計画的に掃除を行うことが大事になってきます。
準備+安全確認
作業を始める前には、まず必ず換気扇の電源を切ります。
可能であればブレーカーを落とすとより安心です。
掃除中はキッチンの窓を開けて換気を良くし、コンロの上や床には新聞紙・ビニールシートを敷いておくと、洗剤や水の飛び散りによる汚れを防げます。
また、油汚れや洗剤が手肌に直接触れるのを防ぐため、ゴム手袋をするのも必須です。



洗剤・汚れの飛び散りを吸い込まないようにマスクをつけるのもおすすめです!
分解手順
次に、換気扇を分解していきます。
まずは取扱説明書を確認し、正しい手順で行うことが重要です。
ネジやナットなどの小さな部品は紛失しやすいため、取り外した後は小さい袋などにまとめておくと紛失を防げます。
換気扇の多くの機種はフィルターやカバーを手前に引くだけで外せますが、固い場合でも無理に力を入れないよう注意してください。



誤った外し方をすると、部品の破損や怪我につながることも!
つけ置き+洗浄
取り外したフィルターやファンは、大きめの容器に入れて40℃程度のぬるま湯を準備し、そこに重曹や中性洗剤を溶かしてつけ置きします。
30分〜1時間ほど置くと油汚れが浮きやすくなり、スポンジや柔らかいブラシで軽くこするとスムーズに落とせるはずです。
特に重曹は、油汚れを分解する効果が高いためご家庭でも扱いやすいです。
頑固な汚れが残る場合は、「再度つけ置きをする」「油汚れ専用の洗剤を使う」と良いでしょう。



あまりに頑固な汚れの場合は、部品を傷める心配もあるので、プロに任せる方法もあります!
本体表面の掃除と乾燥
フィルター以外にも、換気扇の本体やファンの羽根部分も丁寧に掃除しましょう。
濡れたスポンジで優しく拭き取るのが基本で、強くこすったり金属ブラシを使用すると、破損や歪みにつながる可能性も。
洗浄後はしっかりと乾燥させることがポイントです。
水分が残ったまま組み立ててしまうと、電気系統のトラブルにつながる恐れがあります。
扇風機やドライヤーの冷風を使うと早く乾燥させられます。



温風は部品の傷みにつながるのでNGです!
組み立て+動作確認
すべての部品が十分に乾いていることを確認したら、外したときと逆の手順で組み立てを行います。
ネジを締める際には力を入れすぎず、「各部品がしっかりと正しい位置に収まっているか?」を確認しましょう。
フィルターやカバーの取り付けが甘いと、運転中に振動や異音の原因になりかねません。
組み立てが終わったら電源を入れ、「動作音や吸引力、振動に異常がないか?」をチェックします。



動作確認で問題がなければ掃除完了です!
自分で換気扇掃除をする際の注意点


自力での換気扇の掃除は、「ただ汚れを落とす作業」だけではなく、安全や部品の保護を意識した正しい手順も欠かせません。
自分にはそんな考えがなくても、うっかりした行動が火傷や怪我、換気扇の故障を引き起こすことも。
ここでは、特に気を付けたい注意点を順番に取り上げていきます。
調理後すぐに掃除しない
料理の直後の換気扇は、熱気や油で高温になっているため、触れると火傷のリスクがあります。
最低でも、しっかりと冷めてから作業を始めることが必須です。
油汚れは温かいうちの方が落としやすいという特徴もありますが、自分を守ることが大前提です。



冷めた後でも、ぬるま湯を使うことで油はやわらかくなり、落としやすさを維持しながら安全に掃除を進められます!
感電・怪我を防ぐ
換気扇にはモーターや配線などの電気部品が組み込まれているため、必ず電源を切ってから作業に取りかかりましょう。
濡れた手で操作することは感電の危険があるのはもちろん、万が一、誤った運転スイッチを押してしまうと大怪我のリスクもあります。
また、換気扇は高い位置にあることが多いため、脚立を使う際は安定感のあるものを選び、転倒を防ぐ工夫も大切です。
フィルターやファンには重量がある部品もあります。



無理に一人で持ち上げたり外したりせず、可能であれば家族にサポートをお願いするとより安心です!
洗剤選びには注意
掃除に使う洗剤は、素材に合ったものを選ぶ必要があります。
強力なアルカリ性の洗剤は、油を落とす効果が高い反面、アルミ部分の変色や塗装の剥がれを招く恐れがあります。
説明書を確認し、必ず目立たない部分で試してから使用するのがおすすめです。
取扱説明書に「使用可能な洗剤」が記載されている場合は、それを優先するのがベストです。



たわしや硬いスポンジは素材を傷つけることがあるため、柔らかいスポンジや布を選ぶのも掃除成功のポイントです!
取扱説明書もきちんと確認
自己流で分解や掃除を行うと、意図せず部品を破損したり、取り付けがうまくいかず正常に作動しなくなることがあります。
最近の換気扇の中には、機能性が高まり複雑な構造を持つ機種もあるので、必ず取扱説明書を確認してから作業を始めましょう。
「分解できる部分とできない部分の区別」「取り外し方や正しい組み立て方」「使っても良い洗剤の種類」などが記載されています。
説明書の内容を守ることで無駄な故障やトラブルを避けられ、掃除後も安心して使い続けられます。
定期的な掃除も大切
換気扇の油汚れは時間が経過するほど固まり、強くこびりついて落ちにくくなります。
定期的に掃除しておけば、汚れの蓄積を防ぎ、1回の作業の負担も軽減できます。
市販の使い捨てフィルター(カバー)を取り付ければ、油の付着を抑えて換気扇内部を清潔に保つ効果もあります。
日常的に表面のホコリを拭き取る習慣をつけるだけでも、掃除の効果は大きく変わります。



使い捨てフィルターは交換時期を間違うと、換気効率の低下や電気代の増加なども招くため、交換タイミングにも気をつけましょう!
換気扇(レンジフード)の掃除タイミング・サイン


換気扇の掃除は「いつやるか?」もとても大切です。
汚れを放置すると油やホコリがこびりつき、掃除がますます大変になります。
ここでは、自分で掃除をする際の適切なタイミングや汚れのサインについて解説していきます。
通常は「簡単掃除:月1回」「分解掃除:年1回」
換気扇は日々の料理で油や煙を吸い込むため、放置するとすぐに汚れがたまってしまいます。
一般的には、月に1回の簡単なフィルター掃除や拭き掃除を習慣にすると、清潔さを保ちやすくなります。
また、内部のファンやシロッコ部分など、分解してしっかり掃除をするのは年に1回を目安にしましょう。
こまめなケアをすることで、換気扇の性能を長持ちさせることができます。
料理の頻度や調理方法に合わせる
ご家庭ごとの調理習慣によって、掃除の頻度は大きく変わります。
たとえば、揚げ物や炒め物をよく作るご家庭では油や煙などが多いため、早めの掃除が必要になります。
反対に、簡単な調理が中心のご家庭では、フィルターの拭き掃除をこまめに行えば十分なことも多いです。
外観からは見えない油汚れでも時間とともに蓄積し、嫌な臭いや換気性能の低下につながります。



自分の使用スタイルを基準に掃除のタイミングを調整しましょう!
目に見える汚れや臭いが出た時
フィルターやファンにベタつきや黒ずみが現れたら、それは掃除のサインです。
油汚れが厚くなると換気効率が下がり、調理中の煙や臭いが部屋にこもりやすくなります。
見た目や臭いの変化に気づいた時はすぐに掃除を行いましょう。
異音・異臭が出た時
換気扇から普段と違う音や不快な臭いがする場合は、内部に汚れがたまっている可能性があります。
ファンにこびりついた油が回転のバランスを崩すと異音の原因になりますし、油汚れが酸化すると嫌な臭いを発生させます。
もちろん、換気扇からの異音・異臭は他にもいくつか原因が考えられます。



異臭・異音の放置は、換気扇の故障にもつながりかねないため、気づいたら早めに掃除をすることが大切です!
季節の変わり目や引っ越しなどのタイミング
普段の生活では見落としがちな換気扇内部の掃除も、季節の変わり目や大掃除の時期に合わせると効率的です。
特にシロッコファンやダクト内部の汚れは、普段の拭き掃除では手が届きません。
年に一度くらいは内部の点検や分解清掃を行い、できればプロのクリーニング業者の力を借りることを考えましょう。
賃貸物件なら、入居時・退去時にも、しっかり掃除をしておくと気持ちよく新生活を始められます。



退去時はもちろん、入居時も「換気扇が汚れてそう」と感じたら、プロの業者に任せるのが確実です!
浴室やトイレの換気扇も掃除する必要はあるの?


換気扇は、キッチンだけでなく、浴室やトイレなどにも設置されています。
特に、浴室やトイレの換気扇は湿気やカビの温床になりやすく、定期的な掃除が必要です。
湿った空気を効率よく排出できないと、カビの発生から壁・天井の劣化を招いてしまう恐れも。
また、目に見える黒ずみは健康リスクにもつながるため、早めに落としましょう。
浴室用のカビ取りや中性洗剤で拭き取った後、しっかり乾燥させることが重要です。
キッチンの換気扇を同じように、洗剤によっては素材を傷めることもあるので取扱説明書のチェックも大事。



浴室・トイレの換気扇もプロの業者に依頼できるので、合わせて検討しましょう!
おわりに
換気扇は日常生活に欠かせない設備でありながら、油やホコリが溜まりやすい場所でもあります。
自分で換気扇掃除をすることで、日常の料理中に発生する油や煙などを効率的に排出でき、キッチン全体の空気を清潔に保つことができます。
正しい手順や適切な頻度を意識すれば、自力での換気扇掃除は決して難しい作業ではありません。
キッチンの快適さを保つためにも、今日から無理のない範囲で少しずつ手入れを始めてみましょう!