換気扇(レンジフード)には油やほこりが溜まりやすく、汚れを放置するリスクを考えると定期的な掃除は欠かせません。
しかし、掃除に慣れていない・しばらくしていないなどの方の場合、「外したいのに換気扇が外れない、、、」となるケースも少なくありません。
無理に外そうとすれば、破損や怪我などにつながる恐れもあるため、正しい知識や対処法を知っておくことは大切です。
そこでこの記事では、換気扇が外せなくなる原因からその際にできる対処法、注意点などについて解説していきます。
換気扇掃除が必要な理由

換気扇に油やほこりが溜まると吸引力が落ち、換気効率が低下して室内に湿気や臭いがこもりやすくなります。
特にキッチンでは、油汚れが高温で発火しやすく、放置すると火災のリスクも心配です。
さらに汚れがモーターや軸にまで回ると、摩耗や異音の原因になり、修理や交換費用がかさむことも。
定期的に掃除を行い、フィルターやファンをきれいに保つことで消費電力を抑え、結果的に電気代の節約にもつながります。

定期的な点検や掃除は小さな不具合を早めに見つけられるため、大きなトラブルの予防にも有効です!
なぜ?換気扇が外せない時に考えられる原因


「換気扇が外せない」となる原因としては、構造や固定方法、さらには経年劣化など複数の要因が考えられます。
原因を正しく把握せずに無理やり外そうとすると破損につながる恐れがあるため、まずは状況を丁寧に確認することが大切です。
経年劣化やサビの影響
換気扇の長年の使用で、油や湿気にさらされたネジや金属部分は、固着やサビによって動かなくなることがあります。
この状態で強引に力を加えると、ネジ山が潰れたり、パーツが変形して取り返しのつかない損傷を招きかねません。
潤滑剤を塗り少し時間を置いたり、軽く叩いて振動を与えることで緩む場合があります。



どうしても動かないときは加熱を使った方法もありますが、繊細な部品を壊さないよう慎重に行う必要があります!
接合部に固着した油
油や煙を吸い込むキッチンの換気扇では、ファンやカバーの接合部分に油がこびりついて固まることがあります。
この油汚れは接着剤のような役割を果たしてしまい、分解を難しくする大きな要因になります。
中性洗剤を溶かしたお湯を布に含ませて拭く、少し温めて油を柔らかくすると外しやすくなることも。
決して、無理に引っ張るのではなく、油を浮かせてから慎重に試みることが破損防止につながります。
設置ミスや説明書の確認不足
換気扇はメーカーや型番によって分解方法が異なるため、説明書を確認せずに外そうとすると外れないケースも少なくありません。
特にスライド式のカバーやロック機構がある製品では、構造を理解しないまま力をかけると破損する可能性も。
取扱説明書が手元にない場合でも、本体に記載されている型番を調べれば、メーカーの公式サイトから情報を入手できるでしょう。



製品の仕様を理解してから取り掛かることで、無駄に苦戦する時間を削減できます!
外せない換気扇にできる基本的な対処法


日々の料理による油やホコリで汚れ、経年劣化など原因になり、換気扇が外せないことがあることはご理解いただけたでしょう。
ここでは、外せない換気扇に試せる基本的な対処法について解説していきます。
ネジを回す方向を確認する
換気扇には、シロッコファンやプロペラファンなどの種類があり、それぞれモーター軸を固定しているボルトの構造が異なります。
一般的なネジは右に回すと締まり、左に回すと緩みますが、換気扇のボルトは逆ネジになっている場合も多いです。
これは、モーターの回転によって緩んでしまうのを防ぐためになっています。
力任せに回す前に、ねじ山や矢印の表示を確認し、「正しい方向に回しているかどうか?」を確かめることが重要です。



誤った方向に回すと余計に固く締まってしまうこともあるため注意が必要です!
熱風で温めてみる
換気扇が外れない原因のひとつに、油汚れが冷えて固着してしまっているケースがあります。
その場合は、ドライヤーの温風を使って固着部分を温めると外しやすくなります。
目安としては3分ほど温風を当てると油がやわらかくなり、ネジや部品が動きやすくなります(油がやわらかくならない場合はもう3分追加)。
火傷を防ぐためにも、作業を行う際は必ずゴム手袋を着用しましょう。



温めても外れない場合は、無理に作業を続けず、専門業者への依頼も検討するのがおすすめです!
浸透性オイル(潤滑油)を吹きつける
ネジやボルトがサビで固まっているときは、浸透性オイル(潤滑油)を使うのも効果的です。
スプレーをネジ部分に少量吹きつけ、30分〜1時間ほど放置すると金属のすき間にオイルが浸透し、取り外しやすくなります。
ただし、電気系統やモーター部分にかからないよう注意が必要です。



作業後はオイルを必ず拭き取らないと、使用中にネジが緩んで外れる危険があるため、後処理も丁寧に!
汚れを落としてみる
油汚れやホコリが固まっていることが原因で外れにくい場合もあります。
ですが、ドライヤーの熱風でも効果がないときは、ネジの周囲に中性洗剤を少しつけて、汚れをやわらかくしてから拭き取ると良いでしょう。
汚れが落ちることで、ネジが回りやすくなり、スムーズに取り外せることがあります。
特に長期間掃除をしていなかった換気扇は、汚れが固着しているケースが多いです。



まずは周囲を清潔にしてから作業するのがポイントです!
換気扇(レンジフード)を外す時の注意点


換気扇を掃除する際に部品を外すことは効果的ですが、誤った方法で外すとリスクも大きクナります。
安全に掃除するためには、次の点を理解しておきましょう。
電源・安全確認
換気扇を扱う前には必ずブレーカーで電源を落とし、スイッチだけではなく、分電盤からも遮断されていることを確認する必要があります。
濡れた手で作業すると感電の危険があるため、乾いた状態でゴム手袋を着用し、保護メガネを使うとさらに安心です。
作業中に思わぬトラブルが起きる可能性もあります。



家族などに一言声をかけてから始めると、より安全性が高まります!
部品の紛失にも気を付ける
換気扇の内部には小さなネジもあり、外すときには紛失してしまうこともあります。
外した順番ごとにトレイや袋にまとめ、再度取り付ける際に迷わないようにしましょう。
分解する前にスマホなどで写真を撮っておくと、元の状態に戻す際も簡単になります。
力の入れ方や素材への配慮も必要
経年劣化したプラスチック部品は、力をかけすぎると簡単に割れてしまいます。
また、油やサビで固まっている金属部分を無理に外そうとすると変形や破損につながることも。
無理に力で解決しようとせず、潤滑剤を使って時間を置き、自然に緩むのを待つのがおすすめです。



抵抗が強い場合は無理にこじ開けたり熱を加えたりせず、早めに専門の業者へ相談するのがベスト!
不安ならプロのクリーニング業者に任せる
換気扇の構造は複雑で、慣れていないと無理に外そうとして壊してしまうことがあります。
特にシロッコファンやプロペラファンなどの部品は、外し方にも注意が必要です。
「自分で外すのが難しい、、、」「壊してしまわないか不安、、、」などの場合は、無理をせずプロのクリーニング業者に依頼するのが安心です。



プロなら適切な工具や洗浄剤を使い、安全に分解・掃除を行ってくれるため、仕上がりも確実です!
換気扇の外し方【シロッコファン型編】


シロッコファンは、換気扇(レンジフード)で広く採用されているタイプです。
構造が複雑なため、誤った方法で外すと再度組み立てるのが難しくなることがあります。
シロッコファン型の構造上のポイント
シロッコファンは円筒状の羽根が特徴で、モーター部分に軸で固定されています。
外す際には、前面パネルやフィルターを順番に取り外してから、内部を確認する必要があります。
爪や小さなネジが見えにくい位置にあるため、無理に力を加えると破損につながります。
機種によっては回転ロックを解除するスイッチが設けられている場合も。



取扱説明書や内部を丁寧に確認しましょう!
整流板を外す(ある場合)
整流板が付いている換気扇では、必ず電源を切ってから作業を始めてください。
洗剤を使った際に汚れなどが落ちてこないよう、コンロや床周りを養生するのも必須です。
整流板は複数のネジで固定されていることが多く、手前から外していき、最後に奥の支え部分を外すようにするとスムーズに取り外せます。
フィルターを外す
整流板を取り外すと、奥に金属製のフィルターが見えてきます。
フィルターは油汚れが蓄積しやすいため、持ち上げる際に汚れが垂れてこないよう注意が必要です。
左右に軽く動かすと外れやすく、フィルターを外した後は内部が見えやすくなるため次の作業に移れます。



ネジで固定されている場合は、ドライバーを使って外していきます!
ネジを回しカバーを外す
フィルターを外したら、シロッコファンを覆うカバーが見えるようになります。
このカバーはファンが落下しないように取り付けられているため、まずはネジを確認しながら外しましょう。
ネジやカバーは小さいため、落とすと紛失の原因になりかねません。



作業中は小さな容器・袋を用意して、部品をまとめておくと安心です!
シロッコファン中心部のスピンナーを外す
カバーを外した後、シロッコファンの中心に取り付けられているスピンナーを外します。
スピンナーはファン全体を支えているため、片手でファンをしっかり押さえながら作業してください。
汚れが固着していると回しにくいことがあり、その場合は専用の潤滑剤を少し使うと外しやすくなります。
無理に力を加えると部品を傷めるため、どうしても外れない場合は専門の業者に依頼する判断も大切です。
シロッコファンの掃除の際のポイント
外したシロッコファンは、重曹や中性洗剤を溶かしたぬるま湯(40℃)につけて、油汚れを浮かせると効率的です。
汚れが柔らかくなったら、柔らかいブラシで優しくこすり落とします。
金属部分は強い力で擦ると傷がつきやすいため、力を入れすぎないことが重要です。
洗浄後はしっかり乾燥させ、組み立ての前に回転部へ少量の潤滑剤を塗っておくと動作が滑らかくなります。



最後にすべてを元に戻し、「電源を入れても異音がないか?」を確認してから使用しましょう!
換気扇の外し方【プロペラファン型編】


プロペラファンは、羽根がむき出しのシンプルな構造を持ち、キッチンだけでなく、浴室や窓際などに設置されていることが多いタイプの換気扇です。
一見すると取り外しが簡単そうに見えますが、固定方法や設置環境によっては外しにくいこともあります。
プロペラファンの構造と特徴
プロペラファンは羽根が直接モーターの軸に取り付けられており、中心部のナットやピンで固定されています。
カバーを外すと羽根が露出するため、掃除自体は比較的行いやすいのが特徴です。
ただし、固定が強すぎる場合は、無理に外そうとすると部品を破損する可能性もあります。



軸付近の配線やモーター部分に触れる際は特に慎重に行う必要があります!
養生し、電源オフ・コンセントを抜く
シロッコファンと同じように、作業を始める前には、周囲を汚れから守るために養生を行いましょう。
コンロ周辺や床の上に新聞紙やビニールシートを敷いて準備することで、油汚れやホコリが飛び散っても掃除が楽になります。
また、安全のために必ず換気扇の電源をオフにし、コンセントを抜いてから作業してください。



電源を切らずに作業を行うと、思わぬ誤作動や怪我の危険があります!
フィルターやカバーなどを外す
プロペラを外す前に、まず周囲を覆っているフィルターやカバーを取り外します。
これらにも油汚れやホコリが付着していることが多く、外す際に周囲へ飛び散らないように注意しましょう。
カバーは軽く見えても固定が固い場合があるため、少しずつ力を加えながら丁寧に取り外すのがポイントです。
取り外した部品は、無くさないようにまとめて保管しておくと安心です。
プロペラを外す
ファンを外す際は、プロペラ部分を軽く押さえながら時計回りに回して取り外します。
取り付け部分に回す方向が記載されている場合もあるので、確認するとスムーズに作業できます。
固く外れにくいときは、ドライヤーで温めて油汚れを柔らかくしたり、浸透性オイルを少量使用する方法も効果的です。



力任せに引っ張ると羽根が破損し、換気機能に支障をきたす恐れがあるため注意が必要です!
設置場所によっての注意
浴室や屋外に設置されているプロペラファンは、湿気や雨の影響で固定部分や配線が腐食していることがあります。
腐食が進んでいると、無理に外す際に破損する可能性が高いため、乾燥した状態で慎重に作業することが大切です。
また、防錆処理を施すことで今後の劣化を防ぐこともできます。



配線部分に不安がある場合は、自分で取り外さず、電気工事の専門業者に相談することをおすすめします!
換気扇(レンジフード)の掃除手順【外せる・外せない場合】


換気扇は、「外せる場合」と「外せない場合」で掃除の手順が若干変わります。
外せると内部の油汚れまでしっかり洗えますが、外せない場合でも効果的に清掃する方法もあります。
ここでは、それぞれの手順をわかりやすく解説していきます。
外せる場合の掃除手順
外せる場合は、まず必ず電源を切ってから作業を始めます。
分解前にスマホなどで写真を撮っておくと、組み立て時に迷わず戻せるので安心です。
取り外しは、【フィルター→カバー→ファン】の順に行うのが一般的です。
外した部品は重曹や中性洗剤を溶かしたぬるま湯につけ置きし、柔らかいブラシで優しく汚れを落とします。
十分にすすいだ後は自然乾燥させ、完全に乾いた状態で再び取り付けます。
最後に通電し、空回しして異音がないかを確認すれば完了です。



換気扇掃除には重曹や中性洗剤がおすすめですが、部品によっては塗装の剥がれやサビなどにつながることもあるので、使用前に説明書などを確認することが大切です!
外せない場合の掃除手順
外せない換気扇の場合でも、できる範囲で掃除することは可能です。
まずはフィルター部分の作業から始め、目に見える部分の油汚れをブラシで軽く落とします。
その後、重曹水や中性洗剤などを使い、汚れを浮かせてから拭き取ります。
内部に直接スプレーを使用する際は必ず電源をオフにし、電子部品にかからないようにし、乾燥を十分に行ってから再稼働してください。
長柄ブラシや細部用のクリーナーを活用すると、奥まった部分の汚れも取りやすくなります。
おすすめの洗剤や道具
ご家庭で使いやすく安全性が高いのは「重曹」と「中性洗剤」です。
これらは素材に優しく、油汚れにもしっかり効果を発揮します(重曹は箇所によっては部品を傷める場合も)。
強力なアルカリ性洗剤などは、塗装や金属を傷める危険があるため避けたほうが良いでしょう。
掃除道具としては、柔らかめのブラシやマイクロファイバークロス、ゴム手袋があると便利です。
特に頑固な油汚れは、数時間つけ置きすることで落としやすくなります。



必要に応じて潤滑剤を使うと、部品の動きがスムーズに保てます!
換気扇掃除の目安やメンテのコツ
換気扇は汚れを放置すると性能が低下し、電気代の増加や異音の原因になることがあります。
キッチンの換気扇は月に一度の簡単な掃除を習慣にし、半年から1年に一度は分解清掃を行うのが理想です。
普段からフィルターの目詰まりを防ぐことで、モーターの寿命を延ばす効果も期待できます。
定期的にお手入れをすることで、快適な空気環境を長く保つことができるでしょう。
浴室やトイレの換気扇が外せない場合


キッチン以外でも、浴室やトイレの換気扇が外せず困ることがあります。
これらは、湿気によるカビやほこりの蓄積が主な原因で、フィルターやカバーが固着して外れにくくなることが多いです。
無理に力をかけると、部品が割れたり配線を損傷する恐れもあります。
まずは電源を遮断し、「潤滑剤を塗って浸透させる」など、時間をかけて緩める方法を試してください。
カビや石鹸カスで固着している部分は、カビ取り剤や温かい重曹水で柔らかくしてからブラッシングを行うと効果的です。
説明書や型番を確認して構造を理解したうえで作業を行えば、破損のリスクを下げられます。



「自分には難しい、、、」と感じた場合は無理せず、専門のクリーニング業者に相談するのがベストです!
おわりに
換気扇が外せない原因としては、固着した油やサビ、経年劣化などが考えられます。
換気扇が外せないと感じたときは、まず原因を正しく把握し、適切な手順で慎重に対処することが欠かせません。
決して無理に外そうとせず、必要に応じて専門業者へ依頼すれば、安全に掃除や点検が進められます。
日頃から定期的な掃除や室内の換気を心がけておくことで固着や劣化を防ぎ、換気扇を長持ちさせながら快適な生活環境を維持することにつながるでしょう!